パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.20 ~教育資金の贈与税非課税制度~

教育費はどの家庭も削りにくいものですが、もし祖父母の皆さまからの援助で教育費をまかなうことがえきれば、家計は大助かりですね。その仕組みを利用できるのが「教育資金の贈与税非課税制度(教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税の特例)」です。制度が創設されてから多くの祖父母や子どもたち(孫など)が利用しています。
今回は、国の制度についてわかりやすくお話しします。

◆世代を超えた教育資金のバトン
夏休み中に、普段の習い事ではできない泊りがけの自然体験活動やイングリッシュキャンプなどサマースクールに参加したり、芸術や科学、プログラミングなど将来の職業を意識した特別講座に参加されたご家庭も少なくないでしょう。かけようと思えばいくらでもかけられるのが教育費。お子さまの可能性を見出すチャンスですから、教育費用もついつい増えてしまうということも避けられないことなのかもしれません。
教育費がピークを迎える大学進学では、医師や歯科医、薬剤師、獣医師を目指すためには6年間在学が必要です。また、海外留学や大学院への進学も今は珍しいケースではありません。
収入には限りがありますが、教育資金には上限はつけにくいもの。親世代だけで賄うにも難しいケースもありますね。そこで、祖父母から孫へ世代を超えて資金のサポートのしくみを考えることもできます。

◆教育資金の贈与税非課税制度のしくみ
国の制度として、祖父母などから孫などに教育資金を1,500万円まで税金をかけずに(非課税)一括贈与できる制度があります。

●教育資金の贈与税非課税制度の概要

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孫(受贈者)が31歳になるまで非課税期間が続きますので長期にわたり利用ができます。また、中学・高校や大学等の入学金、授業料などの学費だけでなく、学用品の購入、修学旅行、給食、通学定期、留学に関する渡航費用など、使える範囲はかなり広くなっています。しかも、500万円までは、学費以外の塾や習い事にも利用できる点は魅力的です。使用用途が教育費に限られるという点も、資金を提供してくださる祖父母の方にとっては安心ですね。

それでは、贈与について基本的なことに触れてみましょう。贈与は、本来、年間110万円(基礎控除額)までは税金がかかりません(暦年贈与)。
例えば祖父母が孫へ年間700万円を贈与した場合、基礎控除額である110万円を差し引いた590万円に対し贈与税がかかります。孫が支払う贈与税額はおよそ112万円になります。(※特例税率は考慮していません。)

そこで、教育資金の贈与税非課税制度も併用すれば贈与税がかかる心配はなくなります。この制度を利用することで贈与を一括で行うことができるため、その都度の贈与にかかる手間がなくなります。何よりも祖父母にとってはお元気なうちに贈与できますから孫の喜ぶ顔を早く見ることができますね。
制度を利用するには、金融機関で専用の教育資金口座を開設するなど手続きが必要となります。金融機関ではかわいらしい愛称やサービスなどの工夫もしています。

教育費といっても用途が幅広く、ご家庭の方針もさまざま。学業はもちろん、それ以外の費用がかかる場面で経済的なサポートがあると心強いですね。

※本文は「教育資金の贈与税非課税制度」の概要について触れています。詳細につきましては国のホームページ、税務署などでご確認ください。

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