起源を知りたい!

起源を知りたい! Vol.16

さまざまな物の起源をご紹介します☆

~食品サンプルの起源は?~

飲食店の入口に、メニューの食品サンプルが並ぶショーケースがありますよね。本物そっくりに再現された食品サンプルは、お店選びや注文の参考にもなります。誰もが見たことのある当たり前の光景ですが、この食品サンプルは日本で生まれた独自の文化。大正末期から昭和初期に、京都と東京でほぼ同時期に誕生しました。
まずは1917年の京都。学校の理科教材用の標本や模型を製作していた島津製作所で、西尾惣次郎氏によって保健食の料理模型が作られたという記録があります。その料理模型をきっかけに、飲食店用の食品模型を島津製作所に依頼したといわれています。
それから6年後の1923年、関東大震災直後に東京日本橋の白木屋百貨店が飲食店を併設して新装開業します。その際、店頭にメニューの見本を陳列したものの、実物では生もの変色や衛生的な問題がありました。このとき、ロウ細工の人体模型技師だった須藤勉氏がロウ製の食品サンプルを提供。須藤氏が遊びで作った果物や野菜のロウ細工を見せたことから、本格的に製作が始まったそうです。
そして、日本で初めて食品サンプル製作を事業化した岩崎瀧三氏が食品サンプルと出会ったのは昭和初期のこと。西尾氏の料理模型を入手して試作に取り組み、1932年に岩崎製作所を創業。食品サンプルの第一人者として知られる岩崎氏が初めて完成させた製品は、奥様が試作品の見本用に作ったオムレツでした。
現在、食品サンプルは単なる料理の見本ではなく、飲食店の魅力を伝える販促ツールの役割を担っています。海外からも注目され、ミニチュア玩具や携帯ストラップ、アクセサリーなどのグッズも人気です。

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