パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.22 ~国の社会保険を学ぼう。年金編~

平成27年に年金制度に大きな転機となる改正がありました。公務員等が加入する共済年金が会社員の加入する厚生年金に統合されたのです。国の公的年金制度は改正をしながら時代に合わせて変化しています。私たちの生活を支えてくれている年金の基本についてわかりやすくご説明いたします。

◆年金のしくみ
公的年金制度は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員・公務員等の人が加入する「厚生年金保険」の2つに大分できます。年金制度の図を見てわかるように、我が国の年金制度は、2階建層になっています。
1階部分は、国民年金です。第1号被保険者(自営業・学生等)、第2号被保険者(会社員・公務員等)、第3号被保険者(専業主婦などの会社員・公務員等の配偶者で被扶養者になっている人)の3種類に区分されます。
2階部分は厚生年金保険です。したがって、会社員や公務員等は、国民年金と厚生年金保険の2つの年金に加入しています。

◆我が国の年金制度

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年金制度に加入するのは、国民年金は20歳からですが大学や専門学校の学生でも20歳になれば国民年金に加入することになります。高校を卒業して働く場合は、18歳から厚生年金保険に加入することになります。このように年金は、人生の転機ごとに加入する年金も変わっていきます。就職、転職、結婚、早期・定年退職などのライフイベントごとに年金の手続きが必要になります。

例) 35歳で結婚を機に退職し、会社員から専業主婦になった場合
厚生年金保険(第2号被保険者)から国民年金の第3号被保険者へ変更します。

例) 53歳の時に会社員から自営業に転職した場合
厚生年金保険から国民年金の第1号被保険者へと変更の手続きをします。

国民年金の保険料は、定額のため誰でも同じ額です。一方、厚生年金保険は、給与等に保険料率をかけて計算され、事業者(会社等)と折半で本人の負担分は給与から天引きされます。

◆手厚い国の保険制度~老齢・遺族・障害給付
年金には3つの給付という役割があります。
それは、「老齢給付」「遺族給付」「障害給付」と言います。国民年金(基礎年金)、厚生年金保険それぞれに給付があります。国民年金からの給付については次の3つです。

■老齢給付
公的年金の大きな役割が老齢年金です。退職後や老後の生活の支えになります。20歳から60歳まで国民年金に加入した場合は、65歳から月額にして約6万5,000円(平成28年度)の老齢基礎年金がもらえます。

■障害給付
老後を守るだけではなく、事故や病気で障害が残ってしまった時にもらえる障害給付があります。

■遺族給付
家族の大黒柱が倒れたら…万一の際に遺族年金に変わります。仮に父親が倒れて家族がのこった場合に、国民年金から遺族基礎年金がおおむね18歳(子どもの高校卒業)までの間もらえます。

これら3つのほかに、厚生年金保険に加入していて、受給できる要件を満たしていれば上乗せして給付されます。

例) 妻(40歳)と子ども2人(8歳と10歳)がいる会社員(42歳)が亡くなった場合

・遺族基礎年金:780,100円+224,500円(子ども2人の加算分)=1,004,600円
(平成28年度)
・遺族厚生年金:受給要件が満たされていれば上乗せされます。

最近は、情報番組やニュースでも取り上げられることがあります。ご家族の年金の履歴や現在の状況について、調べてみてはどうでしょうか。毎年、誕生日月に送付される「ねんきん定期便」でチェックすることができます。老齢給付に加え、障害給付や遺族給付など生活をするうえでの経済的な備えとして知っておくと安心ですね。

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