パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.23 ~主婦の新しい働き方~

パート・アルバイトの短時間勤務で家計を支えている主婦の働き方が大きく変わろうとしています。特に配偶者の扶養の範囲で働いている方は気になるニュースです。「まだよくわからない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在(平成28年9月)、扶養内での働き方は、103万円または130万円以内に年収を抑えるという2種類が存在しますが、平成28年10月からは、基準を満たす一部の企業では、130万円のラインが106万円に引き下げられることとなりました。

◆106万円という新しい働き方
平成28年10月から、いわゆるパート勤務のうち、大手企業などで働く約25万人を対象に、厚生年金保険及び健康保険の適用が拡大されます。現在の対象者は、勤務時間が週30時間以上の人となっていますが、より多くの人がこれまで以上に手厚い保障を受けることができるようになります。一方では、短時間勤務の人の対応はというと、「社会保険が適用拡大された場合、現在の働き方を変更するか」(※2)という調査では、「61.8%が変えると思う」と回答しています。
短時間勤務の人の男女の割合は、パート・アルバイトで働く人のうち女性が全体の約77%(※2)を占めています。このように今回の改正は主婦にとって働き方を考える機会となりそうです。
(※1)「社会保険の適用拡大が短時間労働に与える影響調査(2013)/(独)労働政策研究・研修機構より
(※2)「労働調査 2016年四半期4-6月期/総務省」より

では、どのように変わるのか、内容は次のとおりです。

◆厚生年金保険及び健康保険の適用に該当するケース

① 常時500人を超える従業員がいる企業
② 所定労働時間が週20時間以上
③ 雇用期間が1年以上見込まれる
④ 学生ではないこと
⑤ 月額賃金が88,000円以上(残業代・賞与・通勤手当は含まない)
※上記全てに該当する場合、厚生年金保険及び健康保険の適用に該当

これまでは、社会保険に加入する取得基準が曖昧な部分があったのですが、その基準を明確化しています。月額88,000円は年概算にすると約106万円に。社会保険に加入する年収の基準が130万円だったところ、今回の改正から106万円へラインが引き下げられるのです。

◆社会保険への加入がもたらす効果
加入する社会保険は、健康保険と厚生年金保険です。加入するにあたって被保険者としてのメリットについて触れましょう。

  • 健康保険(健康保険組合や協会けんぽなど)
    国民健康保険にはない傷病手当金、出産手当金の給付があります。ケガや病気のために会社を休んだ時は傷病手当金が、出産で会社を休んだ時は出産手当金が賃金の3分の2程度支給されます。健康保険の給付が充実し安心です。
    ※傷病手当金、出産手当金は、平成28年4月から計算方法が変わりました。加入する健康保険に確認ください。
  • 厚生年金保険
    将来の老齢年金が、国民年金(老齢基礎年金)にさらに厚生年金(老齢厚生年金)が上乗せされます。例えば、次の図のように月収が88,000円の人が、40年間厚生年金保険に加入した場合、保険料は毎月8,000円で、毎月19,300円分が将来もらえる年金に上乗せされます。年金は一生涯もらい続けることができます。

20161011_02
(厚生労働省サイトを参考に作成)

社会保険の加入は、保険料の支払いが発生することで、一時的に収入への影響を気にしがちです。長い人生を考えるうえで、現役で働いて収入を得られる期間というのは限られてきます。生活設計を視野に入れた働き方についてあらためて、加入することのメリットを把握しておくことも大切です。

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