パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.28 ~主婦にも退職金?確定拠出年金って何?~

15年前に日本へ導入された退職金制度の「確定拠出年金」。もとは米国の401Kという制度がモデルとされていて、「日本版401K」ともいわれます。この確定拠出年金の一部が、来年の平成29年1月から改正されます。これまで加入ができなかった専業主婦や公務員の方が加入できるようになり、これでほぼすべての方が加入できるようになりました。
老後の資金づくりのための公的年金に上乗せした「私的年金」のひとつです。

◆確定拠出年金をわかりやすく解説!
退職金制度は、「確定給付型」がメインでしたが、「確定拠出型」が15年前から導入されました。確定給付型は退職時にもらえる退職金の額が確定している馴染みのある退職金制度です。この給付型は、会社が従業員のために退職金を運用し用意する必要があります。運用がうまくいかなければ不足の分は補てんしなければなりません。
一方、確定拠出型は、企業が退職金のための資金を拠出するだけで運用は「自己責任」において従業員が行います。企業は運用する手間がなく、経営に専念することができます。

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確定拠出年金は、会社が積立額を拠出する「企業型確定拠出年金」と、今回改正される「個人型確定拠出年金」があります。本文ではおもに後者の個人型確定拠出年金について触れます。個人型確定拠出年金の愛称は、「iDeCo(イデコ)」といいます。

◆改正されるのはどの部分?
これまでは会社員本人(企業型)と自営業者(個人型)がメインでしたが、あらたに個人型へ専業主婦や公務員等などが加入できるようになりました。個人型の確定拠出年金には、25.7万人(前年の21%増/厚生労働省調べ 平成28年3月現在)が加入していますが、今後、さらにこの個人型の確定拠出年金への加入は増える見込みです。

次の図は、確定拠出年金全体を表し、今改正から加入ができる方を含めたものになります。にこにこマークの箇所が新たに平成29年1月から加入できる部分です。

◎個人型の確定拠出年金の加入範囲と拠出限度額

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※1 企業年金とは、企業型の確定拠出年金や確定給付企業年金などのことです。
※2 上記※1に加入されている方のうち、企業型の確定拠出年金のみに加入している方の額です。
※3 上記※1に加入されている方のうち、かつ、※2以外の方の額です。
※4 掛金を運用するのは、運営管理機関(金融機関)になります。銀行や保険会社など202社あります。(平成28年10月27日現在/厚生労働省)

どんなメリットがあるの?
では、始めるにあたってどのようなメリットがあるのか、特徴ともいえる3つのメリットを紹介しましょう。

①掛金が全て所得から控除できる
②運用益に税金がかからない
③将来受け取るときは税制の優遇が受けられる

①全額が所得控除
掛金は本人の状況に応じた限度額がありますが、その全額が年間の所得から控除されます。
例えば、所得税率が10%の方であれば、毎月23,000円、1年間で276,000円を掛けた場合に得られる節税の効果は27,000円になります。なお、税金を納めていない方はこの恩恵はありません。

②運用益は非課税
掛金は60歳まで拠出し、その掛金を金融商品で運用をします。通常は金融商品を運用すれば税金がかかりますが、この制度での運用益には税金がかかりません。

③大切な退職金には税金も優しい
晴れて給付を受けられるとなったときには、年金として受給する場合は公的年金として控除が受けられます。また、一時金として受給する場合は、退職金として控除が受けられます。主婦の方にも退職金というのは、このような優遇があってのことです。

掛金は自分のペースで決められ、運用しながら老後のための資金を準備することができます。自己責任が前提ではありますが、リスクのない商品を選ぶこともできます。これまで対象ではなかった専業主婦や公務員の方も対象となるということで、新しい老後資金づくりの一助となると期待されています。

※本文は、金融商品をすすめるものではありません。マネーリテラシー向上の一助としてのご活用をお願いいたします。ご検討の際は、厚生労働省、金融機関等の最新の情報をご確認ください。

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