パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.36 ~セルフメディケーション税制とは?~

その年に支払った医療費の総額が10万円を超えないと利用できなかった医療費控除が、今年1月から新しい制度が導入されて利用がしやすくなりました。いくつかの要件を満たす必要がありますが、これまでは医療費控除を受けられなかったという人には朗報になります。この新しい医療費控除は、『セルフメディケーション税制』といいます。

◎どのような制度なの?
国民のセルフメディケーションの推進を目的としていて、自らの健康管理や病気などの予防を促進することを目的としています。医療費が原則10万円を超えた金額に適用されるものだった従来の医療費控除よりもグンと利用がしやすくなりました。平成29年1月1日以降に、一定の医薬品を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

◎利用するメリットは?
本人とその家族(同一の生計である配偶者や親族)が、一定のスイッチOTC医薬品(※1) を購入した場合に、その年中に支払った医療費の総額が12,000円を超えると制度を適用することができます。12,000円を超える部分の金額について、その年分の総所得金額等から控除することができるのですが、その金額が88,000円を超える場合には88,000円が限度となります。適用期間は、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間です。
(※1) スイッチOTC医薬品は医療用から転用された医薬品のことです。

セルフメディケーション税制と従来の医療費控除

◎受けるための要件は?
従来の医療費は適用の要件(条件)は特にありませんでしたが、セルフメディケーション制度を利用するための要件は、下記のようになっています。

①ドラッグストアで購入した医薬品(スイッチOTC医薬品)であること
②健康診断や予防接種などを受けていること(確定申告をする本人)
③従来の医療費控除を選択しないこと

要件のうち、医薬品については、セール中で割引されたものも割引後の金額が対象になります。また、通信販売等で購入したものも対象です。なお、自宅のプリンターで印刷した領収書等は確定申告の申請には使用できないので、販売元へ証明書類の発行をお願いしましょう。

◎薬の種類は?
スイッチOTC医薬品は、かぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬 、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などが対象となります。対象となる医薬品は、厚生労働省のホームページで掲載されています。また、【識別マーク】が記載されていることがありますのでその場合は対象の医薬品かどうかを確認することができます。(制度がはじまったばかりでは識別マークの添付が間に合わないことがあります)


【↑ こちらが識別マークです】

領収書やレシートには、「セルフメディケーション税制対象」または「対象商品に★などのマーク」が印字(または手書き)されます。領収書やレシートは捨てずに、無くさないよう保管しておきたいですね。

これまでの医療費控除は高額の医療費を支払わなければ利用できませんでしたが、このセルフメディケーション税制は、年間で12,000円を超えれば適用ができます。どちらの医療費控除を選択するかは、年末にその状況をみてから考えても十分に間に合います。
健康診断や人間ドックなどを積極的に受けて、生活に密接した税制を賢く利用できるといいですね。

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