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vol.49 ~1年遅れでやってくる「個人住民税」とは~

給与等から控除されているものに所得税と住民税があります。所得税はその年の所得分が控除され、住民税は前年の所得分にかかる税金が控除されています。住民税が1年遅れでやってくるという理由はこのためです。

地方税である住民税は、個人住民税と法人住民税に分けられます。ここでは個人住民税について、所得税との違いや住民税の特徴を解説していきましょう

●所得税と住民税との違い
所得税はその年の所得に対して課税されますが、住民税は前年の所得に対して課税されます。

平成28年分(1月1日から12月31日)の所得を例にあげてみます。
所得税は、納税者本人が税額を確定し、税金を納税する(「申告納税制度」)ことになっています。納税の方法は確定申告などがあります。例えば、1月1日から12月31日の1年間の所得については、原則、平成28年分として翌年の平成29年3月15日までに確定申告により納税します。なお、会社員の場合は会社が給与等から源泉徴収して年末調整で精算されます。

住民税はというと、平成28年分(1月1日から12月31日)の所得に対しては、翌年に、平成29年度分として課税されます。

・住民税は忘れたころにやってくる
前述の通り、住民税は前年の所得に対して課税されます。例えば、前年に会社を退職して、現在は収入がなくても当年度分の住民税は課税されます。例えば、社会人2年目になって「給与の手取りが減った!」という経験はありませんか?それは社会人1年目にあたる前年分の所得の住民税が社会人2年目に課税されるためなのです。

・納付先の違い
所得税は国内に住所があれば、原則、住んでいる地の管轄の税務署に納付します。住民税は、その年の1月1日に住んでいる市区町村が課税をします。

・住民税の概要

・税率の違い
所得税の税率は「超過累進税率」を採用しています。この税率は、所得の金額が大きければ大きくなるほど税率は高くなっていきます。所得税の税率は5%から45%まで7段階あります(分離課税に対するものは除く)。
住民税の税率は一律10%です。住民税は均等割と所得割に区分して計算されます。そのうちの所得割の部分が一律10%で計算されます。
ちなみに、均等割は、年額4,000円ですが、平成26年度から平成35年度までは復興増税によってプラス1,000円が加算されて、年額5,000円です。
このほか、利子割、配当割、株式等譲渡所得割がありますが、こちらは特別徴収(※)されるため市区町村では課税されません。
※特別徴収とは、地方税などを納税する本人から直接、徴収・納付させるのではなく、給与等を支払う会社(特別徴収義務者)などが代わって預かりその税金等を納入すること。

●住民税の申告と納付
所得税は、納税者本人が税金の額を計算し納付します。ただし、会社員の場合は会社が計算をして納付をしてくれます。
一方、住民税は、原則、所得税のデータをもとに計算されます。住民税の申告が必要な場合もありますが、通常は確定申告や会社からの所得税のデータがあるため、申告の必要がありません。

住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収の2つの方法があります。会社員は会社を通じて特別徴収で納税しているケースが多いです。

●普通徴収と特別徴収の方法

いかがでしたか。さまざまな税金の種類があるなかで住民税は住んでいる地域のための税金です。とても身近な税金だということがわかりますね。

※本文は税金についてわかりやすく解説しているものです。住民税における非課税要件や具体的な計算方法などは触れていません。詳しくはお住いの市区町村で確認しましょう。

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