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vol.51 ~子育て世代の住宅ローン ③借換え・繰上げ返済~

住宅ローンの返済期間は35年という期間も珍しくありません。住宅ローンは長い期間に渡り返済を続けるものですからそれに関わる利息の金額も大きくなります。返済期間中に金利が低くなったので借換えをしようか、まとまった資金が準備できたので繰上げ返済を検討したいと考える機会も出てくるでしょう。
そこで、今回は、子育て世代が知っておきたい住宅ローンの借換えと繰上げ返済についてお話しします。

◆住宅ローンの借換えのメリットと注意点
住宅ローンの借換えは、返済中の住宅ローンを別の新たな住宅ローンによって一括で返済することです。借換えをすることで、全体の返済金額を減らすことが目的です。
それでは、借換えの検討にあたってのポイントは何でしょうか。
一般的には次の3つの要件が合えば借換えをする効果があるとされています。

  1. 住宅ローンの残高が1,000万円以上
  2. 残りの返済期間が10年以上
  3. 借換え前と借換え後の金利の差が1%以上

借換え前後の金利の比較がポイントになりますが、金利差が1%未満でも効果があるケースも考えられますので、残高や返済期間など総体的にみてどれくらい効果があるのかを考慮してみましょう。
また、借換えにおいてはいくつか注意点もあります。

  1. 財形住宅融資等の公的な融資への借換えはできない。なお、「フラット35」への借換えはできる。
  2. 借換えをする担保物件が融資額に見合う価値がないと、できないケースがある。
  3. 民間の住宅ローンに借換える場合は、新たに団体信用生命保険に加入しなければならない。
  4. 借換えの手続きに諸費用がかかる。

また、選択する金利タイプが変動金利型ローンの場合は、今後、金利が上場するリスクが生じます。逆に、高い金利時期の固定金利型ローンから低金利へ借換えをすればその効果は大きくなります。
借換えをするうえで念頭においておきたいのは、借入期間を延長できる場合もありますがそうすると当面の月額返済額は減りますが、全体でみるとその効果は薄れてしまうことがあります。目先のことにとらわれずに、期間全体を考えて借換えでどれくらいの効果があるのかを確認しましょう。

◆住宅ローンの繰上げ返済の仕組みと注意点
繰上げ返済は、手元に資金ができたときに住宅ローンの一部や全額を返済するというものです。そのうち、一部の繰上げをする『一部繰上げ返済』には2つの方法があります。

▽一部繰上げ返済
その① 期間短縮型・・・毎月の返済額はそのままに、返済期間を短くする方法


その② 返済額軽減型
・・・返済期間をそのままにして、毎月の返済額を少なくする方法

繰上げ返済は、どちらの方法も利息を軽減する効果はありますが、期間短縮型のほうが返済額軽減型よりも削減できる利息の額は多くなります。
また、繰上げ返済は早く行うほど効果は大きいのですが、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の要件(償還期間が10年以上)を満たさなくなるとその適用がなくなりますので注意が必要です。また、繰上げ返済は手元の資金を返済に充てますので、後になって資金を取り戻すことはできません。子育て世代は教育費の準備も考慮して、繰上げ返済をするかしないかを慎重に検討しましょう。

住宅ローンは返済がはじまったらそのままではなく、金利の状況をチェックしたり、繰上げ返済のための資金づくりをするなど借換えや繰上げ返済を行うタイミングを考えることも大切です。10年20年30年後の完済というゴールに近づくようにしたいですね。

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