パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.56 ~学生納付特例制度~

大人の仲間入り!国民年金への加入は20歳から
~学生納付特例制度のお話~

20歳になると学生にも国民年金の保険料のお知らせがやってきます。学生のため保険料を払うのが大変なときは、学生納付特例制度を利用できます。その内容と注意点についてお話しします。

◆学生でも国民年金保険料を支払うの?
国の年金には、国民年金と厚生年金保険の2つあります。日本に住所があるすべての人が加入を義務付けられていますが、その人の職業や就業形態などによって、加入する年金制度の種類は違ってきます。そして、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するのが国民年金です。厚生年金保険は、会社員等である場合に加入できます。

国民年金には次のように区分されています。

国民年金の被保険者は3種類


第1号被保険者:厚生年金保険に加入していない20歳以上60歳未満の人 (例:自営業、自由業、学生、フリーターなど)
第2号被保険者:厚生年金保険に加入している人
第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者 (年収の要件はある)


学生であっても20歳になれば、自動的に国民年金へ加入することになります。
国民年金保険料は、自分で納めることになります。

◆学生納付特例制度とは
国民年金保険料は、原則、納めなければいけませんが、免除や納付猶予などの適用を受けることもできます。20歳以上の学生で、前年の所得が一定額以下のときは、学校へ在学中の国民年金保険料の納付が猶予される制度です。なお、学生本人の家族の所得の要件はありません。この制度を利用するには申請が必要です。(郵送でも申請が可能)

■対象となる学生
大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校に在学する学生等です。各種学校とは、学校教育法で規定されている修業年限が1年以上の課程がある学校のことです。

■申請場所・方法
・住民登録をしている市区役所などの国民年金窓口
・年金事務所
・このほか、在学中の学校等が学生納付特例の代行事務を行う許認可を受けている場合は、在学中の学校等でも可能

■必要な書類
申請する際には、年金手帳のコピーや学生証などが必要となります。

申請をしていない期間は、さかのぼって申請ができます。その過去期間は2年1か月前まで申請できます。ただし、学生納付特例の申請が遅れてしまうということは、申請日前にもしもの事由があると年金を受けられなくなります。例えば、不慮の事故や病気による障害については障害基礎年金を受け取れる場合があります。
20歳になったら、保険料を納付できなければ、早めに学生納付特例の申請をしましょう。

◆猶予された保険料はどうなるの?
学生納付特例は保険料の納付を猶予しているもので、申請によって代わりに保険料が納付されているわけではありません。学生納付特例を申請した期間は、将来年金を受け取るために必要な「受給資格期間」には反映(算入)されますが、年金額には反映(計算)されません。ですので、学校を卒業した後就職した際には、猶予された保険料を納めることで将来の年金額を増やすことができます。

学生納付特例を申請した期間については、10年以内の保険料をさかのぼって納めることができます。(これは「追納」といいます) なお、追納するときの保険料は、猶予されたその年の保険料とは限りません。追納をする時期にもよりますが、猶予申請の承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされることになります。

将来の人生設計のためには、年金制度のしくみを知って管理することが大切です。平成29年8月1日から老齢基礎年金の受給資格期間が25年から10年に短縮されました。受給資格期間には学生納付特例も含まれます。受給のための資格は満たされますが、将来の年金額では計算されませんので追納ができる時にしておくと安心です。

学生といっても20歳となれば成人です。年金にも加入できる大人の仲間入りですね。お子さまの年金手帳が手元にやって来たら、年金制度について、一緒に学ぶ良い機会にかもしれません。そのうえで保険料を納付するか、学生納付特例を利用するかはお子さまご自身が決めることができるといいですね。

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