パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.61 ~働く女性の「出産手当金」~

働く女性が出産するときには会社を休むことになります。その際に、会社から給与が受けられないときもあるでしょう。そのようなときには経済的な下支えとして「出産手当金」という制度があります。ここでは、協会けんぽのケースをもって紹介しています。

◆出産で会社を休むと出産手当金がもらえます
健康保険の被保険者が出産のために会社を休む場合は、出産手当金が支給されます。この手当金は会社を休んだ期間を対象としてその間に会社から給与の支払いを受けなかった場合になります。支給の対象となる範囲は出産の日(または出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日目までです。

◆出産予定日に出産または予定日よりも早く出産したケース

注:出産日は出産の日以前の期間に含みます。

◆出産手当金はいくらもらえるの?
出産手当金の額は、会社を休んだ期間に給与の支払いがあった場合でもその給与の日額が出産手当金の日額より少なければ出産手当金とその給与の差額が支給されることになります。1日当たりの支給額は、下記のとおりで計算されます。支給開始日は最初に出産手当金が支給された日をいいます。

◆1日当たりの金額
(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2

たとえば、支給開始日以前の標準報酬月額(給与)の額が22万円だった場合の支給額は、4,887円となります。4,887円に出産以前の42日と出産後の56日の日数分から試算すると約48万円です。
出産手当金が支給される際に、傷病手当金の額が出産手当金の額よりも多い場合はその差額が支給されます。

◆こんなときはどうなるの?
それでは、退職したときや出産が予定日よりも遅れたときはどうなるのでしょうか。

・退職したとき
退職をして健康保険の資格がなくなったときには、資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者の資格喪失の日の前日に、出産手当金の支給を受けているか、受けられる状態(※1)であれば、資格喪失後も所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることができます。
なお、任意継続被保険者の場合は、原則、出産手当金は支給されません。
※1:出産日以前42日目が加入期間であること、かつ、退職日は出勤していないこと

・予定日よりも遅れたとき
出産が予定日より遅れた場合は、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。支給期間が、出産予定日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日後56日の範囲内となっていますので、実際に出産した日までの期間もプラスして支給されることになります。たとえば、実際の出産が予定より4日おくれたという場合は、その4日分についても出産手当金が支給されます。

出産手当金は、女性が安心して仕事を持ちながら、家族や本人の生活を保障するものです。そのおかげで安心して出産前後の休養ができます。新しい家族を迎えた幸せを感じられる時間になりそうですね。

※本文は、当制度について概要についてわかりやすくまとめて解説しているため、詳細な要件などについては触れていない場合があります。

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