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vol.63 ~地震保険~

地震保険は、火災保険に付帯しなければ契約することができませんが、すでに火災保険に加入していればいつでも付帯(契約)することができます。地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額に対して、30%~50%の範囲内と決まっています。また、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額となります。地震保険で支払う保険料は所得から控除することができるため、もしものときの準備だけではなく、税制面からみてもメリットがあります。今回は、地震保険の保険金や、割引制度、税制面について解説します。

◆地震保険の保険金の支払割合
地震保険で支払われる保険金は、地震等を原因とする火災や損壊、埋没、流失により生じた損害が、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に該当する場合にそれぞれ保険金額の100%、60%、30%、5%(時価が上限)の保険金が支払われます。
地震保険の保険期間は、短期(1年未満)と、1年または長期(2年から5年)となっています。
下記の事例では、火災保険の保険金額が1,000万円の場合に、契約できる地震保険は最大50%となります。地震保険を500万円で契約した場合、万が一地震で被災した時の被害の状況が「全損」に該当したケースでは時価を限度に保険金額は500万円が支払われます。
わが国では、1回の地震により、政府と保険会社が支払う保険金総額の限度額は、平成28年4月から11兆3,000億円となっています。

◆地震保険に加入した場合の保険金例(2017年1月1日以降始期契約のケース)
下記のように、地震等が原因で生じた損害の状況によって支払われる保険金は異なります。

 

◆地震保険の保険料について
地震保険の保険料についても触れておきましょう。

・地震保険料はどう決まるの?
地震保険の保険料は、保険会社により変わることはありません。建物の構造や所在地(都道府県)によって決まります。また、地震保険には各種の割引制度があり、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」があります。なお、重複の適用はできません。
例えば、建築年割引では昭和56年6月1日以降に新築された建物で、平成13年10月1日以降に契約開始日の地震保険は10%が割引されます。

・支払った保険料が所得控除に
地震保険で支払った保険料は所得税と住民税において所得控除をすることができます。所得控除とは、給与所得など各所得の金額では考慮しきれない個人の生活上の支出を考慮するためのものです。?それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各所得の金額の合計額から各種所得控除の額の合計額を差し引きます。
また、所得税と住民税では所得控除の額が異なります。所得税では地震保険料の全額である最高50,000円が、住民税では地震保険料の2分の1である最高25,000円が所得金額から控除されます。

地震保険料控除の創設に伴って従来の損害保険料控除は2007年をもって適用ができなくなりましたが、経過措置として一定要件を満たす長期損害保険契約等については、従来の損害保険料控除と同様に控除が適用できます。ただし、双方を合わせて、所得税では地震保険料は50,000円が、住民税は25,000円が控除額の限度となります。

地震保険料控除の控除額

■所得税

■住民税

※2007年1月1日に「損害保険料控除」が廃止され一部経過措置が適用されるため、この経過処置による長期損害保険契約等による損害保険料

地震保険料控除の対象となるものは保険会社だけではなく、共済契約等も対象となります。年末調整や確定申告では忘れないように申告するようにしましょう。
地震保険の加入率は全国平均62.1%(※)です。地震保険はいつでも加入することができますので、火災保険の補償を確認する機会には地震保険についても検討してみると安心ですね。

※損害保険料率算出機構(2017年8月28日付)より

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