パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.70 配偶者控除、配偶者特別控除の改正

2018年から主婦の働き方が変わる!?

子育て世帯の関心事でもある夫婦の税金に関わる改正の施行が2018年から始まります。大きな改正になりますのでしっかり理解しておきたいですね。特に主婦の方の働き方そのものを考えるきっかけになりそうです。

■配偶者控除ってどんなもの?
納税をする人に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には一定の金額の所得控除として「配偶者控除」が受けられます。控除対象配偶者というのは、その年の12月31日時点で下記の要件のすべてに該当する人です。
・民法上の配偶者である
・納税者と生計が一緒である
・年間の合計所得金額(※1)が38万円以下である(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない、又は白色申告者の事業専従者でない

また、配偶者控除の適用が受けられない場合に配偶者の所得金額に応じて一定の金額の所得控除として「配偶者特別控除」が受けられます。なお、控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円を超える場合は受けられません。

■これまでとはどこが変わったの?
今回の改正は平成29年度税制改正で決定したもので、変更点は次の2つです。

<配偶者控除の変更点>
・配偶者控除の控除額
・納税する人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には配偶者控除の適用を受けられない。

<配偶者特別控除の変更点>
・配偶者特別控除の控除額
・その対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされた。(改正前は38万円超76万円未満)

具体的に見ていきましょう。納税する人(配偶者控除を受ける)の合計所得金額と配偶者控除の控除額(年齢による)は下記のとおりです。納税する人の合計所得金額は、1,000万円を超えると配偶者控除そのものが受けられません。また、1,000万円までは段階的に控除額が決まります。
ポイントは、改正前は納税する人の合計所得金額の制限はありませんでしたが、2018年からは合計所得金額が1,000万円を超えてしまうと配偶者控除を受けられなくなるという点です。

■主婦の働き方はどうなるの?
それでは、主婦の働き方にどう影響するのでしょうか。夫(納税する人)が配偶者控除を受けるには妻は給与収入103万円(妻の合計所得金額38万円まで)に抑える必要がありました。しかし、控除額38万円の適用を受けるための要件が給与収入150万円(妻の合計所得金額85万円まで)に改正によって拡充されました。

 

配偶者控除と配偶者特別控除の控除額

※( )は合計所得金額

妻の所得が給与所得だけの場合でご説明しましょう。
(例) 給与収入が103万円の場合
給与所得=給与収入-給与所得控除=103万円-65万円(A)=38万円

給与所得控除額65万円(A)を差し引くと妻の合計所得金額が38万円以下となり、夫は配偶者控除が受けられます。しかし、前述のとおり、控除額38万円の適用を受けられる妻の給与収入が150万円に引き上げられましたので、2018年から妻は給与収入を103万円に抑える必要はなくなりました。

ただし、これは税金上の扶養の話になります。一方、厚生年金保険や健康保険への加入対象が広がっています。妻の給与収入が106万円以上になると厚生年金保険や健康保険の加入要件に該当することもあります。

配偶者控除や配偶者特別控除は、会社の年末調整においてその適用を受けることができます。度重なる改正によって税金や社会保険制度のあり方が複雑になっています。わからない時は、勤め先や税務署、専門家などに相談しましょう。

※1 合計所得金額とは下記のとおりです。
「合計所得金額」とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資株式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得等(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。

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