パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.71 トンチン保険ってなに?

■長生きすると得をする「トンチン保険」って?
働き世代が生まれた年代と比べると日本の平均寿命は男女ともに延びています。例えば、昭和45年の平均寿命は男性が69.31年、女性が74.66年でした。それから40年以上が経ち、日本の平均寿命は男性が80.98年、女性が87.14年にまで延びています。男性は11.67年、女性は12.48年も延びたのです。(※1)長生きはとてもうれしいことです。長生きのためには健康であることはもちろんですが、生活を続けるための「お金」も考えなくてはなりません。今は子育てに専念する時ですが大切な老後の生活のことも考えてみましょう。

■安心して過ごしたい90年人生
世界の平均寿命はどうなのでしょうか。日本、フランス、イタリア、アイスランド、スイス、カナダ、ドイツ、イギリス、アメリカの主要国のなかでは日本は最も長生きの国となっています。2位のフランス(女性85.4年)と比べても日本の女性(87.14年)はとても長生きです。(※1)(※2)

長生きとともに気になる高齢者の病気のなかで認知症があります。65歳以上の約7人に1人が認知症を患っています。(※3)認知症は高齢とともに発症する可能性が高まりますので、今後も認知症の人は増えていくと考えられます。長生きと健康はとても密接な関係にあります。長生きしても健康でなければ幸福度は下がってしまうでしょう。そのために健康寿命についても考える必要があります。健康寿命は健康でいられる寿命のことで平均寿命よりも短くなります。この健康寿命が1年延びると経済価値は約80万円という報告もされています。(※4)国の社会保障費が増えていくなかで日頃から健康について真剣に考えていくことも重要のようです。

■長生きに備えるには?
病気やケガ、死亡に対する備えは一般的でしたが、長生きをするためには何か備えは必要なのでしょうか。その備えには健康であるということは大前提ですが、経済的な備えも必要ですね。貯蓄をしたり、退職金を充てたりなど様々な方法が考えられます。保険もその備えの方法の一つです。資金を準備できる保険には養老保険や個人年金保険などがあります。ここではトンチン保険(正式名称は長寿生存保険など)という商品を解説します。

■トンチン保険
トンチンは、死亡保障を抑えることでその分長生きした人が受け取る年金額を大きくするしくみという意味でトンチン性という言葉にならったものです。働き盛りに保険料を払い込むことで、年金の受給開始からは終身にわたり受け取ることができます。払込保険料以上に年金を受け取ることができれば得をするということになり、ある一定年齢以上長生きすればするほどお得になります。しかし、年金を受け取る前に亡くなってしまうと払込保険料よりも少ない金額しか受け取ることができません。長生きした人は得をしますが、先に亡くなってしまった人の払込保険料は元割れしてしまうのでこの点がトンチンといえます。
トンチン保険は金融商品のひとつですので、メリットやデメリットについて理解して自分にとって必要かどうかを考えることが大切です。

この保険の特徴は、長生きをすることに重点を置いていますので、長生きすればするほど受取総額が大きくなります。注意したいのは死亡保障がないため、亡くなった時の解約金額は低く設定されています。このほか、生命保険料控除(個人年金保険料控除)の適用を受けることができます。

働き盛りの自分たちが将来の自分たちに経済的な支えを贈ることができるのがトンチン保険になります。子育てがひと段落した時に、老後の資産形成を考えるうえでこの保険のことを思い出すかもしれませんね。

※1 「平成28年簡易生命表の概況」厚生労働省より
※2 平均寿命の諸外国との比較は、国により作成基礎期間や作成方法が異なるため厳密な比較は困難ですが、現在入手している資料を用いて比較した結果です。出所(「平成28年簡易生命表の概況」厚生労働省より)
※3 「認知症高齢者の現状/平成22年」厚生労働省より
※4 「資料3これからの社会の変化と医療・介護・福祉サービスについて/第2回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会」首相官邸より

注:本文は金融商品についてわかりやすく解説するものであり、推奨またはその内容を保証するものはありません。金融商品につきましては金融機関にご確認ください。

x