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vol.73 知っておきたい年金知識

子育て世代が知っておきたい年金知識

■資格期間の見直しで影響があるものは?
老後に安心して暮らすための収入源として年金は大きな役割があります。これまで国の老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間(※1)と国民年金の保険料免除期間を合わせて原則として25年以上が必要でした。しかし、平成29年8月1日から要件が短縮されて、10年以上あれば老齢年金を受給できるようになりました。
さて、資格期間が短縮されたことでどのような影響があるのでしょうか。

■新たに年金を受け取れる人が増加
年金を受給するために必要な納付期間が25年から10年に減りました。つまり資格期間が10年以上あれば年金を受け取れるようになったのです。これまでは資格期間が15年の人は年金を受け取ることができませんでした。この改正によって15年の人も年金を受け取れるようになりました。

資格期間は次のことを言います。

・国民年金の保険料を納付した期間や免除された期間
・会社員であった期間(公務員なども含む)
・カラ期間(※)(合算対象期間とも言う)(過去に国民年金に任意加入していなかった場合などの期間のことですが年金額の算定では反映されません)

※①昭和61年3月以前に会社員の配偶者だった期間、②平成3年3月以前に学生だった期間、③海外に住んでいた期間、④脱退手当金の支給対象となった期間 など

これらの期間で当てはまる期間を合計したものが資格期間となります。

■どんな影響があるの?
資格期間が10年に短縮されために、年金の受給を諦めていた人たちには朗報となりました。一方、留意したい点もあります。

・納付期間10年では年金額は4分の1程度
老齢基礎年金は、国民年金を40年間(20歳から60歳)納付すると満額を受給することができます。今回の改正により10年でも受給できるようになりますが満額の年金を受給できるわけではありません。例をあげると10年間の納付期間では4分の1程度の年金額になります。この条件で支給される老齢基礎年金額(平成29年度年金額)は194,825円となります。40年間納付した場合では779,300円になりますのでだいぶ減ってしまいますね。

・遺族基礎年金と遺族厚生年金の要件は25年のまま
気を付けたいのは25年の要件が変わらない年金もあります。遺された家族の生活を守る遺族年金には変更はありません。
遺族基礎年金の受給要件では、「老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき」「老齢基礎年金の資格期間を満たした人が死亡したとき」に対する保険料納付済期間は25年のままです。なお、寡婦年金の受給要件は25年から10年に短縮されました。
遺族厚生年金も同様で、老齢厚生年金の受給者など(長期要件)の死亡における支給要件はこれまでどおり保険料納付済期間が25年以上であることが必要です。

このほか、60歳以降も国民年金に加入(任意加入制度)したり、過去5年間に納め忘れた保険料を納付(後納制度)することで今からでも年金額を増やすことができます。ねんきん定期便がやってくる誕生月にはご自身の年金の記録を確認してみましょう。

※1 国民年金の保険料納付済期間や厚生年金保険、共済組合等の加入期間を含みます。
※本文は年金についてわかりやすく解説したものです。本文には記載されていない要件等もございます。

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