パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.76 わかりやすい介護保険のはなし

介護保険を運営する保険者は市町村と東京都の特別区ですが、国や都道府県など広い範囲で支え合うしくみとなっています。2000年に制度が創設されて多くの方が利用している制度です。親の介護は突然起きると言われています。そのときに慌てることがないように介護保険のしくみを知っておくと安心です。

■被保険者は2つの種類に分かれる
介護保険料は健康保険の保険料と一緒に毎月給与から天引きされていますが、介護保険の内容をご存知という方は多くはないかもしれません。介護保険の被保険者は、親世代でもある65歳以上の人(第1号被保険者)と、子育て世代が該当する40歳から64歳までの国の医療保険に加入している人(第2号被保険者)の2つに分けられます。
65歳を迎えれば原因を問わず介護保険のサービスを利用するための認定を受けてサービスを受けることができます。一方、40歳から64歳までの人は、がんなどの特定疾病が原因である必要があり、この原因については限定されています。

介護保険の概要

※特定疾病とは、次の病気を指します。

がん(末期)、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、 後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、初老期における認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

■介護サービスの利用のしかた
親などの被保険者が介護を必要になった場合、介護サービスを受けるには要介護または要支援認定を受けなければなりません。認定を受けて介護サービスを利用するまでの手続きのながれは次のとおりです。

①申請
お住いの市区町村の窓口に「要介護(または要支援)認定」の申請をします。なお、地元の地域包括支援センターが代行してくれる場合もあります。

②調査や判定
認定調査員が自宅を訪問して本人や家族から聞き取り等の調査を行います。また、普段から利用している主治医に直接、市区町村から意見書作成の依頼がされます。
これらの聞き取り等の調査の結果と主治医の意見書をもとに審査されて、どのくらいの介護が必要かどうかを判定します。
要介護度は要介護1~5と、要支援1、2のいずれかになります(数字が大きいと介護度が高い)。

③認定結果の通知
市区町村から認定結果の通知がきます。

④ケアプランの作成
要介護1~5と認定されて在宅で介護サービスを利用したい場合は、居宅介護支援事業者と契約して、これからの介護サービスの利用計画をまとめた「ケアプラン」を作成してもらいます。ケアプランは居宅介護支援事業者のケアマネジャーに依頼します。また、施設に入所する場合は入所を希望する施設へ直接問い合わせをします。
このほか、要支援1または2と認定された場合は、地域包括支援センターが介護予防ケアプランという予防サービス計画書を作成してくれます。

⑤サービスの利用
介護サービスにまつわる各サービスを提供するサービス事業者から、ケアプランにもとづいたサービスを受けることができます。利用する方の自己負担は、サービス費用の原則1割または2割です(所得による要件があります)。

親の介護をしなければならなくなったときに、どこに相談したらいいのか初めてのことでわからないことがばかりです。まずは、住まいの市区町村の介護保険担当課か、近くにある地域包括支援センターに相談するとスムーズに介護のための準備をすすめることができます。そのためにも、相談できるところはどこか、あらかじめ調べておくと安心です。

※本文の内容は2018年3月現在のものです。

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