パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.89 公的医療保険のあれこれ

私たちが住む日本では、赤ちゃんから高齢者まですべての人がいずれかの公的医療保険に加入しています。これは、「国民皆保険制度」といいます。
誰もが加入している公的医療保険は、加入者が病気やケガ、出産、死亡したときなどに必要な給付を行います。そのほか、健康増進のための事業も行っており健康づくりのサポートもしています。日本の医療保険は、世界に誇れる優れた制度のようですね。公的医療保険には種類がありますので、今回はその仕組みについてご紹介します。

◆公的医療保険とは?
公的医療保険を大きく分けると、会社員等が加入する「被用者保険」と、それ以外に該当する自営業者等が加入する「国民健康保険」等があります。また、原則として75歳になると「後期高齢者医療制度」の適用を受けることになります。

◆会社員等が加入する「組合健保」と「協会けんぽ」
被用者保険は、会社員や公務員などの人とその家族が加入する保険で、組合健保・協会けんぽ・共済組合があります。組合健保は大手企業の健康保険組合が運営するもので、保険料率や給付の内容を独自に決めることができます。協会けんぽは、全国健康保険協会が運営しており、おもに中小企業を対象にしています。

ここでは、会社に勤務する人が加入する健康保険(組合健保・協会けんぽ)の給付について解説します。健康保険には様々な給付がありますが、身近な給付について触れてみましょう。

・療養の給付
業務外の病気やケガで、医療機関などで受ける現金給付のことです。例えば、風邪をひいて病院で診察を受けたり、薬をもらう際には、医療費すべての負担ではなく、一定の自己負担だけで済みます。

・傷病手当金
被保険者本人が病気やケガで会社を連続4日以上休んで給与を受けられない場合に一定の給付を受けられるものです。

・(家族)出産育児一時金
1児ごとに42万円が、被保険者本人または被扶養者(家族)が出産した場合に給付されるものです。被保険者本人が出産のため会社を休む場合には、一定の要件のもと出産手当金が給付されます。なお、被扶養者には、傷病手当金と出産手当金の給付はありません。

◆健康保険に加入しない場合は「国民健康保険」
一般的に、健康保険に加入しない場合には国民健康保険に加入することになります。例えば、会社を離職して個人事業主になった場合は、健康保険から国民健康保険に変わります。国民健康保険の給付は、原則、通院や入院時などの医療費の自己負担割合は健康保険とほとんど変わりません。しかし、給付の内容は、健康保険とちょっと違っています。「傷病手当金」や「出産手当金」は、国民健康保険にはありません。

公的医療保険は、就労の有無や会社の規模、加入する医療保険によって、受けられる給付が異なります。あらためてご自身の健康保険の給付内容について調べてみるとよいですね。

健康保険は、日常の暮らしを支えてくれる大切な制度です。しかし、近年、日本の医療費全体が増え続けているため、このままでは「国民皆保険制度」の維持が難しくなってしまうかもしれません。そこで、国や健康保険の運営団体では、健康増進のための様々な取り組みを考えています。私たち一人一人が日頃から健康への意識を高めることで、医療費を節約できるかもしれませんね。

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