パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.91 何のために備える?子育て世代の保険を考える

新入社員時代に加入したままの保険や、人に勧められて加入した保険など、どうすべきか手付かずの保険が眠っていませんか?なかには、利率のよい時に加入した、いわゆる「お宝保険」をお持ちの人もいらっしゃるようです。保険は、もしもの時にこそ、その効果が発揮されます。しかし、保険料はタダではないので、不要な保障であればムダな保険料を支払ってしまうことになりかねません。それでは、ムダなく保険を活用するにはどうすればいいでしょうか。今回は保険について考えてみましょう。

◆効率的に保険を活用するには
これから起こる出来事には保険で備えることで、家計への経済的な補填ができます。しかし、心配事が多いからといって、あれもこれもと保険に加入することは難しいもの。限られた収入の中で、その世代に合った保障を効率的に選ぶことがポイントになります。

【保障の考え方】
① 必要な保障を見極め、必要な保障額を見積もる
② 保障に優先順位をつける
③ 保障の条件に近い保険商品を選ぶ

◆必要な保障を見極め、必要な保障額を見積もる
下記の保障を参考にしながら、どの保障が必要かを書き出してみましょう。また、その保障についても「いくら」必要かも考えてみましょう。

おもな保障の種類と目的
死亡保障⇒ のこされた配偶者やお子様の生活資金や教育資金を備える
がん保障⇒ 働き盛り世代の保障として、または、治療用資金が足りない場合
医療保障⇒ 治療用資金が足りない、または、生活習慣病に不安がある場合
貯蓄保障⇒ 教育資金や、葬儀・墓費用、老後生活資金などを準備したい場合
介護保障⇒ 介護費用の準備をしたい場合

◆保障に優先順位をつける
保障について書き出しができたら、優先順位を考えてみましょう。ここでは、子育て世代向けの優先順位の考え方をお伝えしています。

・最優先は「死亡保障」
子育て世代で最も優先したいのは、「死亡保障」です。その理由は、生計をたてる人が倒れてしまうと、のこされた家族はその後の生活の目途が立たなくなります。お子様は希望する教育も受けられなくなってしまうかもしれません。死亡保障の金額は、大きいのが特徴で貯蓄では賄うことはできないからです。

・2番目は「がん保障」または「貯蓄保障」
2番目は、貯蓄保障か、がん保障になります。その理由は、教育資金準備の必要性と、働き盛りでがんになる家計への影響です。

子育て世代の貯蓄保障の代表は学資保険。教育費を保険で備えたいという家庭もあるでしょう。最近の学資保険では、支払う保険料の総額以上の満期金がもらえる商品が少なっていることもあり、敬遠されてしまうこともあるようです。しかし、貯蓄が苦手だったり、親などの契約者にもしものことがあれば、以後の保険料の払込みが免除になります。貯蓄ではなく、保険のしくみを利用できる点がメリットだといえます。

また、がんになったときに家計にどのような影響があるのか考えてみましょう。治療に健康保険を使うのか、自由診療で治療するのか、経済的には大きな影響がでてきます。健康保険内であれば一定額以上の自己負担はありませんが、自由診療は健康保険外のため実費になります。がん保障では、がん診断給付金を付帯すれば、治療費として自由に使うこともできます。

・貯蓄があれば「医療保障」の順位は下げる
残るは、医療保障と介護保障です。
医療保障は、入退院を繰り返す長期にわたる病気やケガでなければ、貯蓄で賄うという考えも一理あります。健康保険が適用されれば、高額な自己負担があっても一定の基準以上はかかりません。保障には日帰り入院から保障されるタイプが一般的になっていますが、短期入院こそ貯蓄で賄えると考えればマストな保障とはいえないかもしれません。
介護保障は、介護状態になる確率を考えてみると、50代、60代よりは低いと考えられます。子どもたちも成長し、独り立ちする頃の50代に差しかかった頃に検討してみるというのも考え方の一つです。

このように優先順位を考えられたら、「3位までの保障にしよう」など、どの順位までの保障の保険に加入するかを考えてみましょう。

◆保障の条件に近い保険商品を選ぶ
保険商品だけではなく、金融商品は100%要望を叶えられるものは存在しません。保障面が充実した保険商品はその分保険料も高くなりがちだということです。例えば、死亡保障であれば、一生涯その保障が希望するのであれば終身保険に、一定期間でよければ定期保険を選ぶことができます。この場合、保険料は終身保険のほうが高くなります。どの部分を手厚くして、どこを我慢するのかを判断するようにしましょう。

このように、手順に沿って保障を考えてみると、わが家の本当に必要な保障が見えてきます。また、今後も、世代ごとに保障の見直しをして、有意義なお金の使い方ができたらいいですね。

x