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vol.94 地震保険料が引き上げられたのをご存知ですか?

日本は地震大国です。しかし、最近は世界の各地でも地震が起こっています。地震による損害に備えることができる保険が「地震保険」です。じつは、この地震保険の保険料がまた引き上げられたのをご存知でしょうか。対象となるのは、始期日が2019年1月1日以降となる契約からになります。
これから地震保険に新規加入したいと思っているご家庭や、地震保険の更新がある家庭にとっては、家計への影響は避けられません。このところ改定が続いている地震保険の保険料。子育て中の家庭が、考えておきたいことについて解説いたします。

◆全国平均で約3.8%の引き上げに
損害保険料率算出機構のデータによると、地震保険料は今回の引き上げと、最近では2017年に、その前には2014年にも引き上げられています。このうち大きかったのが2014年の全国平均で15.5%の引き上げでした。2017年が全国平均で5.1%、本年2019年が全国平均3.8%の引き上げのため、これまでのなかでは最も小さい上げ幅となっています。ただし、今回だけにとどまらず今後も保険料改定は続くと考えられます。
じつは、2017年から3段階に分けて改定が行われる予定のため、2019年が2段階目となります。次の3段階目は未定のままです。

◆地震保険の世帯加入率、東京は37.0%
地震保険は、火災保険に付帯して契約する保険です。その付帯率は、損害保険料率算出機構による「2017年度の全国計」では63.0%です。東京は58.2%となっています。首都直下地震が心配されているなか、6割にも満たないものとなっています。しかし、これは火災保険に加入している世帯に対する地震保険の付帯率です。
地震保険の加入率をみてみると、同機構による都道府県別の世帯加入率(2017年度)では、東京は37.0%しか地震保険に加入していません。(※1)
※1:世帯加入率及び付帯率は、いずれも共済等を含まない地震保険のみの集計です。

地震保険は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲以内で、かつ、建物には5000万円まで、家財には1000万円まで保険金額を設定することができる保険です。
補償に応じて地震保険料も相当額がかかってきます。マイホームを手に入れると、資産に対して税金がかかりますし、火災保険や地震保険のように、もしものときや災害のときの備えに保険料を支出しなければなりません。何かとお金がかかる子育て世代にとっては、毎年の出費は家計への負担になってしまうこともあるでしょう。
しかし、火災保険も、地震保険も、住まいのための大切な備えになります。特に大きな損害を被るような災害では、生活を再建するためのとても大切な補償といえるでしょう。

◆地震保険で、マイホームも家計も安心
地震保険の保険料は、建物の構造や所在地によって異なります。また、保険期間は、短期と長期があります。
短期の保険期間は1年ですが、長期は2年~5年と1年刻みで選べます。期間が長くなれば保険料は割安になります。
①割引制度
このほかに、地震保険には割引制度があります。「建築年割引」と「耐震等級割引」、「免震建築物割引」、「耐震診断割引」の4種類です。割引の重複はできませんが、建築年、または耐震性能により、建物や家財に対して10%~50%の割引が適用されます。

②所得控除
そして、地震保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを「地震保険料控除」といいます。

この所得控除により、所得税が最高5万円、住民税が最高2万5千円を総所得金額等から控除することができます。
平成19年(2007年)分からそれまでの損害保険料控除が廃止されて、その経過措置として要件を満たす一定の長期損害保険契約等の損害保険料については、地震保険料控除の対象とすることができます。

・平成18年(2006年)12月31日までの契約
(保険期間又は共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
・満期返戻金等のあるもので保険期間(又は共済期間)が10年以上の契約
・平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

地震保険に加入することで、もしもの災害への備えができるとともに、保険料が所得から控除される仕組みは家計にとってうれしい制度です。

国の機関によると、今後30年間に起こるといわれる地震に南海トラフ地震があります。しかし、ほかのエリアでは起こる確率が低いからといって、安心ということはありません。身の安全を考えるとともに、被災した時のその後の生活を再建していく備えをあらためて考えておきたいものですね。

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