パーソナルファイナンスを学ぶ

vol.96 ふるさと納税を活用していますか?

ふるさと納税が2008年導入され、10年以上が経過しました。何かと注目されるのはお礼の品(返礼品)ですが、上手に利用すれば税金の控除を受けることができます。また、寄附したお金は地域のために活用されます。総務省では、2018年からクラウドファンディング型のふるさと納税に取り組む地域を後押ししており、その募集が始まっています。制度の創設から10年を経て進化を続けるふるさと納税について、そのしくみと活用について考えてみましょう。

あらためて知る「ふるさと納税のしくみ」
ふるさと納税は、自身で選んだ地域(自治体)に寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分については、原則として所得税と住民税から全額が控除される制度です。通常の自治体に寄附をした場合においても、その寄附金額の一部は所得税及び住民税から控除されますが、ふるさと納税の住民税の寄附金控除には、基本控除額と特例控除額(特例分)があり、特例控除額については「ふるさと納税に対して適用される特例」となっています。したがって、ふるさと納税は、寄付金控除に加えて特別な控除が受けられます。

ただし、全額を控除されるためのふるさと納税額には年間上限があり、給与収入と家族構成によって異なります。
この目安を知るために、総務省では目安の一覧表や寄附金控除額を計算するエクセルのシートをサイト上に公開しています。

総務省のサイトの目安の一覧表において、共働き+高校生1人のケースでは、ふるさと納税を利用する本人の給与収入が500万円の場合は49,000円、700万円では86,000円をふるさと納税すると全額控除されるものとなっています。なお、住宅ローン控除や医療費控除などのほかの控除を受けていないケースとなります。
あくまでも目安のため、具体的な計算を知りたい場合はお住いの市区町村のホームページなどで確認をしましょう。

そして、ふるさと納税は、寄附金控除の申告をしてはじめて控除の適用となります。申告の方法は、確定申告になりますが、このほかに、ふるさと納税ワンストップ特例制度もあります。この制度は自治体数が5団体までならその自治体に申請することで確定申告を不要とすることができます(所得税からの控除はなく、全額が住民税の控除となります)。

また、2019年6月から新たなふるさと納税指定制度が施行されます。基本的なしくみは変わりませんが、総務大臣の指定を受けていない地方団体への寄附は「ふるさと納税の対象外」となります。ふるさと納税の税控除を受けたい場合は、総務省などのサイトであらかじめ確認をしておくと安心です。

新しいカタチのふるさと納税
クラウドファンディング型のふるさと納税には、起業家支援をテーマとした「ふるさと起業家支援プロジェクト」や移住交流促進をテーマとした「ふるさと移住交流促進プロジェクト」があります。
「ふるさと起業家支援プロジェクト」は、このしくみを活用することで起業家に対して資金提供を行うというものです。寄附によってその地域の経済が循環し、さらに、経済循環の拡大が図られる効果も期待されています。また、ふるさと納税を活用する事業の内容を具体的に明示することで、寄附文化の理解や定着を図ることも目的とされています。
「ふるさと移住交流促進プロジェクト」は、寄附をきっかけとして、将来的な移住や定住につながることを目的としたものです。昔、訪れたことがあるきれいな景色が忘れられない経験はよくあるものです。

これらのふるさと納税は、地域が抱える問題を解決するために、寄附金の使い道を具体的にプロジェクト化したものです。寄附の目的が返礼品ありきではなく、地域の問題解決に目的がある場合に、共感できるプロジェクトに対して寄附をするというものになります。

税金のことは何だか難しそうなイメージがあるかもしれません。そのようなことがないように、国のホームページでも今回ご紹介したように目安の一覧表やシミュレーションを提供しています。面倒だと思いがちな申告の手続きも、国税庁のサイトでは確定申告の時期ナになると、確定申告特集の窓口となるサイトを創設しますので、こちらなどを上手に利用してみましょう。

※本記事は、ふるさと納税のしくみについて、導入的な部分を解説したものです。詳しい内容や申告におきましては国税庁サイトやお住いの税務署にご相談ください。

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